【書道教室の選び方】大人初心者が気を付けるべき5つのポイント!

綺麗な字が書けるようになりたくて書道教室をインターネットで検索してみても、近所の書道教室にはホームページが無くて「教室の雰囲気が分からない!」や無料体験に行ってみたけど「結局何を基準に教室を選べばいいのか分からない!」と思ったことはありませんか?

教室選びを間違えてしまい、入会した後になって「自分が学びたかったことと違った」というトラブルは避けたいものです。

この記事では書道歴24年の書道家として働く「よしか」が、書道初心者の方でも失敗しない書道教室の選び方を解説します。

【この記事で分かること

  • 書道教室の種類
  • 書道教室の選び方
  • 書道を習うために必要なお金

書道教室の選び方を知り、体験教室や見学を通して、自分に合った書道教室を見つけましょう。

書道教室の種類

書道教室には大きく分けて芸術的な字を学ぶ「書道教室」と、実用的な字を学ぶ「習字教室」があります。

書道と習字はどちらも筆と墨を使って文字を書くことではありますが、実は全然違うことです。

そのため書道教室と習字教室の違いを理解することで、自分に合った教室が選びやすくなります

また近年では「通信教育」や「オンラインレッスン」等、自宅で学べるタイプの教室も増えているため、実際に通うタイプのものとの違いも併せて説明していきます。

芸術的な字を学ぶ「書道教室」

書道は紙と筆と墨を使って、自分の中にある伝えたい想いや感情を表現する芸術です。

そのため書道教室ではお手本をただ真似て書くのではなく、どうしたら伝えたい想いを字で表現できるのかを考え、最終的には自分自身の個性を活かした作品を作りあげることが目的になります。

もちろん書道教室でも筆の扱い方や綺麗な字の書き方などの基本的な指導はありますが、本来の目的は綺麗な字が書けるようになるという実用的な能力ではないため、注意が必要です。

実用的な字を学ぶ「習字教室」

習字は文字のとおり字を習うことを意味しており、字の正しい書き順やきれいで美しい字の書き方を学ぶことを目的としています。

一般的に「綺麗な字が書けるようになりたい!」と思ったら習字教室で学ぶことが良いでしょう。

字を書くときの正しい姿勢から丁寧に教えてもらえます。

自宅で学べる「通信教育」

基本的に書道教室や習字教室は、教室まで通わなければ習うことが出来ませんが、通信教育であれば自宅にいながら綺麗な文字の習得を目指せます。

通って習うタイプの教室では書道と習字どちらの教室もありますが、書道の通信教育は、実用的な字を学ぶ習字に該当するものが多いです。

自分の好きなタイミングで学習を進めることができるため、大人でも続けやすいメリットがあります。

しかし、対面で直接先生から指導を受けることができないため、正しいペンの持ち方や筆の動かし方などは習得が難しいです。

本格的に学びたい場合は、教室に通うかオンラインレッスン等も併せて利用することをおすすめします。

どこにいても学べる「オンラインレッスン」

オンラインレッスンとはインターネット環境があるところであれば、zoom等を使い世界のどこにいても、先生から直接指導を受けることができるサービスです。

最近ではインスタグラム等のSNSで書道家の方自身がオンラインレッスンを受け付けている場合が多く見られます。

先生の書く字を事前に知れるところも良い点の1つです。

好きな字を書く方をSNSで見つけたら、オンラインレッスンを行っているか確認してみることもおすすめです。

書道教室の選び方

自分に合った書道教室の選び方は次の5つです。

  • 学ぶ目的で選ぶ
  • コースやレベルで選ぶ
  • 通えるかどうかで選ぶ
  • 先生で選ぶ
  • 段級位や資格が取得できるかで選ぶ

初心者の方でも5つのポイントを最初に確認することで、自分に合った書道教室が分かります!

①学ぶ目的で選ぶ

まず始めに確認したい点は、ご自身の学ぶ目的と教室の種類が合っているかどうかです。

書道教室は大きく分けて、芸術的な字を学ぶ「書道教室」と実用的な字を学ぶ「習字教室」の2つの種類があります。

もちろん「書道教室だから芸術的な作品作りしかやらない」「習字教室では自分の個性を持った作品作りが出来ない」という訳ではないですが、ご自身の学ぶ目的に併せて教室を選んだ方が上達への近道となります。

書道教室がおすすめな人は、ご自身の芸術性を高めることを目的としている方です。

特に子供の頃に習字を習っていて一通り筆の扱い方を知っている方は、書道教室で他の生徒の方や先生等、多くの人の字に触れることでご自身の芸術的表現の幅を広げることができるでしょう。

そして習字教室がおすすめな人は、綺麗な字を書くことを目的としている方です。

習字教室でお手本を使用して写し書きをしたり、実際に先生に指導してもらったりすることで綺麗で正しい文字が書けるようになります。

②コースやレベルで選ぶ

次に確認したい点は自分に合ったコースやレベルがあるかという点です。

多くの書道教室では、幼児から中学生までを対象とした「子供の部」と高校生から成人を対象とした「大人の部」に分かれています。

同じ教室でも時間帯や曜日によって子供と大人が分かれている場合が多いです。

自分と同じ年齢や経験値の人が多い方が居心地が良くのびのびと学べるでしょう。

また、書道教室では毛筆以外にも様々なコースがあります。

  • 印象をアップさせる美文字を学ぶペン字コース
  • 宛名書きや祝儀袋の表書きを学ぶ実用書道コース
  • 日本だけの文字である仮名文字を学ぶかなコース
  • 墨の濃淡で描く絵を学ぶ墨画コース

通いたいと思っている書道教室で自分に合ったコースがあるか確認しておくことも大切です。

③無理なく通えるかどうかで選ぶ

書道教室に無理なく通えるかは重要なポイントです。

特に、書道や習字は荷物が多くなりがちです。

【書道セットの中身】

  • 筆2本
  • 半紙
  • 下敷き
  • 文鎮
  • 墨汁
  • 筆おき
  • タオル
  • お手本

たくさんの荷物を持った状態で、電車で1時間以上もかかる教室を選んでしまうと、教室に着く前に疲れてしまうなんてこともあります。

基本的には家から自転車や徒歩圏内で行ける範囲の方が続けやすいでしょう。

また、近年では通信教育やオンラインレッスン等で自宅にいながら書道を学ぶことも出来ます。

周りに通えそうな教室がない場合や忙しい社会人の方には、通信教育やオンラインレッスンもおすすめです。

④先生で選ぶ

良い先生のポイントは、「生徒一人一人を気にかけてくれる先生」と「実際に字を書き直して教えてくれる先生」の2点です。

基本的に書道教室では1人の先生に対して複数人の生徒が指導を受ける形が多いため、意外と自分から先生に質問をすることが難しいです。

自分から先生に質問することが難しいため、先生から指導やアドバイスをしてくれるような「生徒一人一人を気にかけてくれる先生」だと、初心者でも安心して学べます。

また、先生から指導を受ける際に口頭だけでなく、「実際に字を書き直してくれる先生」がおすすめです。

生徒が書いた文字の上から朱色の墨で書き直して貰うと、先生の筆使いを見ることができたり、自分の文字のどこが良くなかったかがすぐに分かります。

良い先生の元で指導を受けることで、上達も早く、楽しく書道を学ぶことができます。

見学や体験教室を通してどんな先生なのかを必ず確認しましょう。

⑤段級位や資格が取得できるかで選ぶ

最後に確認して欲しいポイントは、段級位や資格が取得できるかという点です。

段級位制度がある書道教室では、一定の段位まで到達し師範の資格や免許を取得することができます。

師範の資格や免許があれば、自宅やコミュニティーセンターで書道教室を開くことが出来、将来的に書道の先生として独立することも可能です。

ただし、取得した段級位や師範の資格や免許は、同じ会派・流派や団体の中でしか認められない場合が多いので注意が必要です。

自分の貴重な時間を使って学ぶのであれば、段級位制度がある教室で学んだ方が、将来的に書道に関係した仕事に就く場合に役立ちます。

また段位という数値として自分の上達が実感できるので、モチベーションの向上にも繋がります。

書道を習うために必要なお金

書道を習うために必要なお金は、基本的に次の4つです。

  • 月謝
  • 入会金
  • お手本代
  • 道具代

月々先生に支払うお金(月謝)以外にも、1年に1回や半年に1回等まとめて支払うお金が必要な場合が多いです。

書道教室に通う前に必要になるお金は必ず確認しておきましょう。

月々に必要なお金

月々必要なお金は月謝と呼ばれ、教えてくれる書道教室の先生に直接お支払いする場合が一般的です。

地域や場所、先生にもよりますが、大人向けの書道教室の月謝相場は、5,000円〜12,000円です。(週1回の場合)

子供の場合は3,000円〜5,000円の場合が多いので、大人向けの場合は大体子供向けの金額の2倍ほどかかると考えた方が良いでしょう。

また教室によっては、急な用事で欠席しても別日に変更して習う事ができる、振替制度がある教室もあります。

仕事や子供の急な用事などでスケジュールが変更しやすい人は、月謝が無駄にならない振替制度がある教室の方がよりおすすめです。

月謝以外に必要なお金

月謝以外に必要なお金は大きく分けて次の3つがあります。

  • 教室に入会した時に1度だけ必要な「入会金」
  • 1年に1度もしくは半年に1度必要な「お手本代」
  • 使い切った時に都度必要な「道具代」

「入会金」はその名の通り、教室に入会した時に1度だけ支払うお金で相場は1,000円〜3,000円になります。

「お手本代」は1年に1度もしくは半年に1度、前払いで支払う教室や団体が多いです。

入会した時期によっても変わるため、入会前にホームページや先生にいくらになるのか確認しておきましょう。

1年間1コースのお手本代の相場は12,000円〜20,000円になります。

複数コースを選ぶと時間とお金がさらに追加でかかるため、大人の方が習う場合は、まずお好きな1コースに絞ることをおすすめします。

「道具代」については、入会時に購入した後、半紙や墨や筆などの消耗品を使い切った時に都度必要になります。

道具については100円ショップでも買えますが、初心者の方が自分で筆や墨汁を選ぶ事は難しいため、初めは教室がおすすめしている道具を買う方が良いでしょう。

初心者の方が使う道具の値段としては、筆は1,500円、墨汁は600円、半紙は700円(100枚)ぐらいの道具で十分です。

セットになっているものは5,000円〜10,000円ぐらいで購入できます。

「入会金」「お手本代」「道具代」の他にも展覧会への出品料や表装料、高段位の検定費用、資格・免許取得時の免許料等もあります。

まとめ

今回の記事では書道を始めてみたい大人初心者の方向けに、自分に合った書道教室の選び方を解説しました。

【書道教室の選び方】

  • 学ぶ目的で選ぶ
  • コースやレベルで選ぶ
  • 通えるかどうかで選ぶ
  • 先生で選ぶ
  • 段級位や資格が取得出来るかで選ぶ

自分に合った教室で書道を始めることで、無理なく長く書道を続けることが出来るでしょう。

そして文字を書く楽しさを1人でも多くの方が感じていただけると嬉しいです。

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